Excel関数入門:MOD関数の使い方【割り算の余りを求める】

Excelで計算を行う際、割り算の余りだけを求めたいことがあります。例えば「10 ÷ 3 = 3 余り 1」のように、商ではなく余りの部分だけを取り出したい場合です。そんなときに便利なのが MOD関数 です。MOD関数を使えば、割り算の余りを簡単に計算でき、周期的な処理やグループ分け、繰り返しの判定など幅広い場面で活用できます。


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MOD関数の書式

=MOD(数値, 除数)

引数の説明

  • 数値:割られる数
  • 除数:割る数(0は不可)

基本的な使い方

例1:正の数の余りを求める

=MOD(10, 3) → 1

(10 ÷ 3 は 3余り1 → 「1」を返す)

例2:負の数にも対応

=MOD(-10, 3) → 2

Excelでは、常に 除数と同じ符号の結果を返します。

数学的な剰余との違い

一般的な数学では、以下のように剰余(余り)を定義します:

  • -10 ÷ 3-3 余り -1
     → 通常の数学では 剰余は -1

ですが、ExcelのMOD関数ではこのような動作はしません

Excelでは、

MOD 関数は、常に「除数(第2引数)」と同じ符号の余りを返す

という仕様になっています。

  • MOD(-10, 3)
     → 商は -4-4 × 3 = -12
     → -10 - (-12) = 2(余り)

結果:2


MOD関数の活用シーン

1. 偶数・奇数の判定

=MOD(A1, 2)
  • 結果が 0 → 偶数
  • 結果が 1 → 奇数

2. N個ごとの繰り返し処理(ループ処理)

例:5行ごとに背景色を変えるなど、周期的処理に使える。

3. 時間や単位の換算に

=MOD(145, 60) → 25(分換算で余り)

MOD関数とQUOTIENT関数の違い

関数名返される値
MOD
余り
QUOTIENT
=QUOTIENT(10, 3) → 3  
=MOD(10, 3) → 1

注意点

  • 除数に0を指定するとエラー(#DIV/0!)
  • 数学的な剰余とは動作が異なり、常に除数と同じ符号で返す
  • 例えば MOD(-10, 3)-1 ではなく 2

応用テクニック

  • 曜日計算:=MOD(列番号, 7)で週のサイクル管理
  • 繰り返し処理の制御:デザイン・印刷・分析でよく使われるパターン
  • 色の交互処理:条件付き書式と組み合わせると便利!

まとめ

  • MOD関数は、数値を割ったときの余り(剰余)を求める関数
  • 負の数でも、除数と同じ符号で返すのが特徴
  • QUOTIENT関数と組み合わせると商と余りの両方が扱える

関連記事:QUOTIENT関数の使い方