Excel関数入門:DAVERAGE関数の使い方【条件付きで平均を求める】

Excelで「条件に合うデータの平均値を求めたい」ときに役立つのが DAVERAGE関数 です。
単純に平均を出すだけならAVERAGE関数で十分ですが、DAVERAGEを使えば「特定の条件を満たすデータだけ」の平均を効率的に計算できます。データベース管理や集計作業で威力を発揮する便利な関数です。


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DAVERAGE関数とは?

DAVERAGE関数 は、指定したデータベースの中から、条件に合致するレコードの数値を抽出し、その 平均値 を返す関数です。
複数条件を設定できるので、フィルターをかけてから平均を取る操作を自動化できるのが特徴です。


書式

=DAVERAGE(データベース, フィールド, 条件)

  • データベース:検索対象となる表全体(見出し行を含む範囲)
  • フィールド:平均を求めたい列(列見出し名や列番号で指定可能)
  • 条件:抽出条件を記載した範囲(見出し名+条件を入力したセル範囲)

使用例

次のような表があります。

条件:「営業」部署に所属しているの人の給与平均を求める。

=DAVERAGE(C2:F7, F2, H2:H3)

結果:265000
(佐藤25万・田中28万 → 平均26.5万)


DAVERAGE関数で複数条件を指定する場合

複数条件を設定するには、条件範囲に見出しを含め、AND条件(すべての条件を満たす)または OR条件(どれかを満たす)として入力します。

複数条件を横に並べると「AND条件」になる

この条件では「部署が営業 かつ 30歳以上」の行だけが対象になります。

=DAVERAGE(C2:F7, F2, H2:I3)

→ 「部署が営業 かつ 30歳以上」の条件に一致するのは「田中」さんのみ、結果は 280000

複数条件を縦に並べると「OR条件」になる

この条件では「営業」または「30歳以上」に該当する行がカウントされます。

=DAVERAGE(C2:F7, F2, H2:I4)

→ 「部署が営業 または 30歳以上」の条件に一致するのは「伊藤」さん以外の全員で、結果は 287500

活用例

  • 営業部門の社員の「売上平均」を算出
  • 特定期間の「販売単価の平均」を求める
  • アンケート結果から「条件を満たす回答者の平均点」を計算
  • 在庫表で「あるカテゴリの商品価格の平均」を出す

注意点

  1. 条件範囲には必ず見出しを含める
  2. 条件は複数列にまたがって指定可能(AND条件やOR条件も設定可)
  3. フィールドは列名を使うと分かりやすい
  4. 条件に合うデータがなければエラー(#DIV/0!)が返る
  5. 数値以外のフィールドを指定すると計算できない

関連関数

  • DCOUNT関数:条件付きで件数を数える(数値のみ)
  • DCOUNTA関数:条件付きで空白以外の件数を数える
  • DSUM関数:条件付きで合計を求める
  • AVERAGE関数:全データの平均を求める(条件指定は不可)
  • AVERAGEIF関数:1つの条件で平均を求める
  • AVERAGEIFS関数:複数条件で平均を求める

まとめ

DAVERAGE関数は、データベース形式の表から「条件を満たすレコードの平均」を計算する関数です。
単純なAVERAGEではできない「条件付き平均」を自動化できるため、営業管理、給与管理、アンケート分析など多くの場面で活用できます。