Excelで割り算を行うとき、通常は商と小数点以下の値が一緒に計算されます。しかし、「割り算の整数部分(商)だけが欲しい」という場面もあります。例えば「10 ÷ 3 = 3 余り 1」で3だけを取り出したい場合です。そんなときに便利なのが QUOTIENT関数 です。QUOTIENT関数を使えば、割り算の整数部分だけを簡単に取得でき、余りを無視した計算やグループ分けなどに活用できます。
QUOTIENT関数の書式
=QUOTIENT(分子, 分母)
引数の説明
引数 | 内容 |
---|---|
分子 | 割られる数 |
分母 | 割る数 |
基本的な使い方
例1:単純な割り算の整数部分を取得
=QUOTIENT(10, 3) → 3
(10 ÷ 3 = 3.333… のうち、整数の「3」を返す)
例2:負の数を含む場合
=QUOTIENT(-10, 3) → -3
(QUOTIENT
は 切り捨てではなく整数部分を返します)
通常の割り算「/」との違い
関数/演算子 | 結果 | 説明 |
---|---|---|
=QUOTIENT(10,3) | 3 | 小数点以下を除いた整数部分 |
=10/3 | 3.333… | 小数を含む結果 |
使用例
- 日数や時間の計算(例:何時間分の作業があるか →
=QUOTIENT(合計分数, 60)
) - 在庫管理や梱包単位など、ぴったり入る数だけを求めたいとき
- 余りが不要で、整数だけが必要な計算式に
MOD関数とセットで使うと便利!
例えば「10 ÷ 3」の商と余りをそれぞれ取りたい場合:
=QUOTIENT(10, 3) → 3(商)
=MOD(10, 3) → 1(余り)
注意点
- 0で割るとエラー(#DIV/0!)になるので注意
- 商だけを返すため、小数点以下が必要な場合は
/
やROUND
など他の関数を使用 INT
関数とは動作が似ていますが、QUOTIENT
は分母も引数として指定します
まとめ
QUOTIENT関数
は、割り算の結果から 小数を除いた商(整数)を取得したいときに便利MOD関数
と組み合わせれば、割り算の余りもセットで管理できる- シンプルながら、在庫や時間計算など多くの場面で活躍します
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