FLOOR関数 は、数値を指定した倍数の切り捨て(下方向への丸め)を行う関数です。会計処理や在庫管理など、一定の単位での処理が求められる場面で役立ちます。
この記事では、FLOOR関数の基本的な使い方をわかりやすく解説します。
FLOOR関数とは?
FLOOR関数 は、数値指定の切り捨てを行う関数です。
FLOOR関数の書式
=FLOOR(数値, 基準値)
引数の説明
- 数値:切り捨ての対象となる数値
- 基準値:切り捨てる倍数(10の倍数、100の倍数など)
FLOOR関数の使い方
例1:10の倍数に切り捨て
=FLOOR(87, 10) → 80
87を10の倍数方向に“下へ”切り捨てます。
87の下側にある10の倍数 → 80

90ではなく、必ず「下方向」に丸めるのがポイント
例2:0.25単位に切り捨て
=FLOOR(2.87, 0.25) → 2.75
0.25 の刻み(2.50 / 2.75 / 3.00 …)のうち、「2.87」より下側にある値へ丸めます。
結果 → 2.75

例3:負の数値を切り捨て
=FLOOR(-18, 5) → -20
負の数の場合も、FLOOR関数は 負の方向(値が小さくなる方向) へ切り捨てます。
結果 → -20

注意点
- 「切り捨て方向」は常に “下方向” である点に注意
- 桁数で丸めたい場合は ROUND 系の関数の方が向いている
関連関数
| 関数名 | 役割 / 特徴 |
|---|---|
| FLOOR.MATH関数 | FLOOR の新しい仕様版 |
| FLOOR.PRECISE関数 | 常に「絶対値の大きい方向」に切り捨て |
| CEILING関数 | 指定した倍数の「大きい側」に切り上げ |
| MROUND関数 | 指定した倍数に四捨五入 |
まとめ
FLOOR関数は、指定した基準値の倍数に向けて「下方向(負の方向)」へ数値を丸めるための関数です。正の数も負の数も同じルールで扱われるため、計算結果が負方向に揃うのが特徴です。数量の丸め、金額処理、刻み幅のある数値計算など、実務で頻繁に使われるので、仕組みを理解すれば非常に強力な丸め関数として活用できます。