Excel には、三角関数を扱うための便利な関数が多数用意されています。その中でも CSC関数 は、角度の余割(cosecant)を求めたいときに利用します。余割は数学や工学分野で用いられる特殊な三角関数ですが、Excelでも直接計算できるようになりました。本記事では、CSC関数の基本から使用例、注意点までを解説します。
CSC関数とは?
CSC関数は、指定した角度の余割(cosecant)を返す関数です。
定義は次の通りです:

ここで注意すべきは、Excel の CSC関数は角度を ラジアン で扱うという点です。度数法で入力する場合は、RADIANS
関数を使って変換してください。
書式
=CSC(数値)
- 数値:ラジアンで表された角度を指定します。必ず指定が必要です。
使用例
- 15ラジアンの余割を求める
=CSC(15)
→ 結果:1.538 - 30度の余割を求める
=CSC(RADIANS(30))
→ 結果:2 - 90度の余割を求める
=CSC(RADIANS(90))
→ 結果:1
活用例
- 工学計算
電気工学や物理学の公式で「csc」が出てくる場合に、そのままExcelで再現可能。 - 数式の簡略化
以前は=1/SIN(数値)
と入力する必要がありましたが、CSC
を使うことで数式がシンプルになります。
注意点
- ラジアン指定が必須
角度をそのまま入力するとラジアンとして処理されるため、度数を使う場合はRADIANS
関数で変換してください。 - エラーの発生条件
- 入力が数値以外 →
#VALUE!
エラー - 入力値が ±2^27 以上 →
#NUM!
エラー - sinが0になる角度(0度, 180度 など) →
#DIV/0!
エラー
- 入力が数値以外 →
関連関数
- SIN関数:正弦を求める
- COS関数:余弦を求める
- TAN関数:正接を求める
- SEC関数:余弦の逆数(正割)
- COT関数:正接の逆数(余接)
- RADIANS関数:度をラジアンに変換
まとめ
CSC関数は、Excelで角度の余割を求めるための関数です。
- 書式は
=CSC(数値)
- ラジアン入力が必須(度は
RADIANS
で変換) - 数値制限やエラー条件に注意
これにより、工学的な計算や数値シミュレーションにおいて、より正確かつ簡単に余割を求めることが可能になりました。