Excel関数入門:FLOOR.PRECISE関数の使い方【数値を正の倍数に切り捨て】

FLOOR.PRECISE関数は、Excelで数値を指定した倍数の切り捨て(下方向への丸め)を行う関数です。特に特徴的なのは、負の数では常に0から遠ざかる方向に切り捨てられるという点です。


FLOOR.PRECISE関数とは?

書式:

=FLOOR.PRECISE(数値, [基準値])

引数の意味:

引数説明
数値丸めたい対象の数値
基準値(省略可)切り捨てたい倍数。省略時は 1

基本的な使い方

例1:正の数の切り捨て

=FLOOR.PRECISE(7.6, 1) → 7
=FLOOR.PRECISE(17, 5) → 15

例2:負の数では0から遠ざかる方向に切り捨て

=FLOOR.PRECISE(-7.6, 1) → -8
=FLOOR.PRECISE(-17, 5) → -20

使用例

商品価格を100円単位で切り捨て

=FLOOR.PRECISE(2750, 100) → 2700

在庫や負債の計算(負の数も正確に処理)

=FLOOR.PRECISE(-2750, 100) → -2800

時間を15分単位に切り捨て

=FLOOR.PRECISE(2.87, 0.25) → 2.75

注意点

  • FLOOR.PRECISE では モード引数がありませんFLOOR.MATHとは異なり動作固定)。
  • 負の数も0から遠ざかる方向に切り捨てられるため、「0に近づけたい場合」には不向きです。
  • 基準値が正でも負でもOK(処理は絶対値扱いで行われます)。

まとめ

  • FLOOR.PRECISE は、数値を 常に「より小さい方向(絶対値が大きい方向)」に切り捨てる関数。
  • 正負どちらの数でも確実に下方向へ丸めたいときに便利。
  • FLOOR.MATH よりも挙動が単純明快で、特に業務での在庫処理・マイナス値の扱いに向いています。