Excel関数入門:FORECAST関数の使い方【過去の傾向から将来の数値を予測する】

「過去のデータから来年の売上を予測したい」──
そんなときに役立つのが FORECAST関数 です。

統計的な知識がなくても、ExcelのFORECAST関数なら、単回帰分析 をもとに次の年の売上や需要を手軽に計算することができます。

この記事では、FORECAST関数を使った単回帰分析の方法をわかりやすく解説します。


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FORECAST関数とは?

FORECAST関数 は、既知のデータの関係をもとに、
新しいX値(時期など)に対応するY値(売上など)を予測する関数です。

データに基づいた 「単回帰分析」 を行い、傾向から数値を計算します。


書式

=FORECAST(x, 既知のy, 既知のx)

各引数の説明

  • x:予測したいXの値。将来の年や月など、予測したい対象を指定します。
  • 既知のy:既知のY値(目的変数)。売上など、すでにわかっているデータを指定します。
  • 既知のx:既知のX値(説明変数)。年や月など、Yに対応するデータを指定します。

FORECAST関数の使い方

例:アイスクリームの売上データから2026年の売上を予測する

ここでは、年次データと売上データを使って、2026年の売上予想をFORECAST関数によって求めてみましょう。

セルF3に次の式を入力します。

=FORECAST(E3,C3:C12,B3:B12)

この式では、年次データと売上データをもとに、直線的な傾向(1年ごとの伸び) を求め、
その傾向を使って2026年の売上を予測します。

計算の結果、予測売上は約251万円 となります。
過去10年間の売上の伸びをもとにすると、2026年は前年より約10万円増えると見込まれます。


活用例

  • 売上予測:過去数年分の実績から来年の売上を予測
  • アクセス解析:サイトPVの推移から次月のアクセス数を予測
  • 在庫計画:販売データをもとに次期の発注数を予測
  • 需要予測:季節ごとの販売傾向を分析して先取り準備

注意点

  • 直線的(線形)なデータに向いている
     増減が大きいデータや季節性のあるデータでは誤差が出やすくなります。
  • 欠損値や異常値に注意
     売上データに極端な値があると、予測値がずれることがあります。
  • FORECAST.LINEAR関数でも同じ結果
     Excelの新バージョンでは FORECAST.LINEAR が推奨されています。

関連関数

関数名内容
TREND関数データの傾向をもとに複数の予測値をまとめて求める
FORECAST.LINEAR関数FORECAST関数の改良版(同じ使い方)
LINEST関数回帰分析の係数(傾き・切片)を取得できる
GROWTH関数指数的な増加を予測する(非線形モデル)

まとめ

FORECAST関数は、過去の傾向から将来の数値を予測できる関数です。
今回の例のように、売上の推移や成長率を把握したいときに非常に便利です。

直線的な増加傾向があるデータであれば、来年・来月・次の四半期などの数値を簡単に見積もることができます。