QUARTILE.INC関数(クォータイル・インク関数) は、データを4つのグループに分けるときの区切りとなる値(四分位数)を求める関数です。
たとえば、テストの点数を高い順や低い順に並べて「上位25%」「下位25%」の境界を知りたいときに使えます。
平均点だけではわからない「成績のばらつき」や「どの範囲に多くの人がいるのか」といったデータの特徴を、
やさしく見える形で教えてくれるのが、このQUARTILE.INC関数です。
QUARTILE.INC関数とは?
QUARTILE.INC関数 は、指定したデータ範囲を4等分したときの値(四分位数)を求める関数です。「INC」は「含める」という意味で、データの中の一番小さい値と一番大きい値も計算に含めて四分位数を求めます。
書式
=QUARTILE.INC(配列, 戻り値)
引数の説明
- 配列:分析対象となるデータ範囲
- 戻り値:求めたい四分位の番号(0〜4のいずれか)
戻り値 | 説明 |
---|---|
0 | 最小値 |
1 | 第1四分位数(25%点) |
2 | 第2四分位数(中央値) |
3 | 第3四分位数(75%点) |
4 | 最大値 |
使用例

このデータについて、四分位数を求めます。
計算内容 | 関数式 | 結果 |
---|---|---|
最小値 | =QUARTILE.INC(E4:E10, 0) | 55 |
第1四分位数(25%点) | =QUARTILE.INC(E4:E10, 1) | 70 |
第2四分位数(中央値) | =QUARTILE.INC(E4:E10, 2) | 80 |
第3四分位数(75%点) | =QUARTILE.INC(E4:E10, 3) | 87 |
最大値 | =QUARTILE.INC(E4:E10, 4) | 95 |
👉 この結果から、
- 下位25%は70点未満、
- 中央は80点、
- 上位25%は87点以上、
という分布が分かります。
活用例
- テスト結果の上位・下位グループを分析
- 売上データの分布を確認し、上位25%の優良顧客を特定
- 社員評価やアンケートスコアの層別分析
- 外れ値(極端に低い・高い値)を判断する指標として利用
注意点
- データは昇順で並んでいなくても自動的に処理される
- 空白セルは無視される
- 文字列を含むとエラーになる(数値データのみ対象)
- Excel 2010以降では
QUARTILE
→QUARTILE.INC
に変更されている - 外れ値分析 などに使う場合は、
QUARTILE.EXC
との使い分けに注意
関連関数
関数 | 説明 |
---|---|
QUARTILE.EXC | 最小値と最大値を除外して四分位数を求める |
PERCENTILE.INC | 任意のパーセンタイル位置の値を求める |
MEDIAN | データの中央値を求める |
PERCENTRANK.INC | 特定の値が全体の中でどの位置にあるかを求める |
まとめ
QUARTILE.INC関数は、データを4つの層に分けて分布を分析できる便利な統計関数です。
平均値では分からない「上位・中位・下位」の分布を把握でき、データの偏りや特徴を直感的に理解できます。
売上・得点・評価など、順位やばらつきを分析したいときに積極的に活用しましょう。