三角関数には、基本的な 正弦(サイン)・余弦(コサイン)・正接(タンジェント) のほかに、それぞれの逆数で表される関数もあります。そのひとつが 正割(セカント) です。Excel には SEC関数 が用意されており、角度の余弦の逆数を簡単に求められます。本記事では、SEC関数の使い方や注意点を解説します。
SEC関数とは?
SEC関数は、与えられた角度の正割(secant)を返す関数です。
定義は次の通りです:

つまり、角度の余弦(cos)の逆数を求める関数です。Excel では角度を ラジアン で指定する点に注意しましょう。
書式
=SEC(数値)
- 数値:ラジアンで表された角度。必ず指定します。
使用例
- 15ラジアンの正割を求める
=SEC(15)
→ 結果:-1.014 - 60度の正割を求める
=SEC(RADIANS(60))
→ 結果:2 - 90度の正割を求める
=SEC(RADIANS(90))
→ 結果:エラー(余弦が0になるため)
活用例
- 工学分野の計算
電気工学や物理学の公式で sec 関数が現れる場合に、そのままExcelで計算できます。 - 数式の簡略化
以前は=1/COS(数値)
と記述する必要がありましたが、SEC
を使えばより直感的に書けます。
注意点
- ラジアンで入力する必要がある
60度を直接=SEC(60)
と入力すると、60ラジアンとして処理され誤った値になります。度を使う場合はRADIANS
関数で変換しましょう。 - エラーが発生するケース
- 入力が数値以外 →
#VALUE!
エラー - 入力値が ±2^27 以上 →
#NUM!
エラー - cos が 0 になる角度(90度, 270度 など) →
#DIV/0!
エラー
- 入力が数値以外 →
関連関数
- COS関数:余弦を求める
- SIN関数:正弦を求める
- TAN関数:正接を求める
- CSC関数:正弦の逆数(余割)
- COT関数:正接の逆数(余接)
- RADIANS関数:度をラジアンに変換
まとめ
SEC関数は、Excelで角度の正割(cosの逆数)を求めるための関数です。
- 書式は
=SEC(数値)
- 入力はラジアン、度は
RADIANS
関数で変換 - cos が 0 になる角度ではエラーになる
工学的な数式や数学的なモデルをExcel上で扱うときに役立ちます。