Excelでデータの中から「一番多く出てくる値」を調べたいときに使えるのが MODE.SNGL関数 です。
平均(AVERAGE)や中央値(MEDIAN)と同じように、データの傾向を把握するための統計関数のひとつです。
集計やアンケート分析などで「最も多い回答」や「最頻値(モード)」を求めたいときに役立ちます。
MODE.SNGL関数とは?
MODE.SNGL関数 は、指定した数値の中で 最も頻繁に出現する値(最頻値) を返す関数です。
複数の最頻値がある場合は、最初に検出された値 が返されます。
書式
=MODE.SNGL(数値1, [数値2], …)
数値1, [数値2], …:最頻値を求める数値または範囲
使用例
例1:単純な数値データの場合

=MODE.SNGL(E3:E9)
👉 結果:20
(20が3回登場しており、最も多く出現するため)
例2:複数の最頻値がある場合
データ |
---|
10 |
20 |
10 |
20 |
30 |
この場合、「10」と「20」がどちらも2回ずつ出現しています。
👉 結果:10
(MODE.SNGL関数は、複数の最頻値がある場合、最初に見つかった値を返します)
例3:最頻値が存在しない場合
データ |
---|
10 |
20 |
30 |
40 |
50 |
=MODE.SNGL(A2:A6)
👉 結果:#N/Aエラー
(すべての値が1回ずつしか出現していないため)
活用例
- テスト結果で「最も多かった点数」を求める
- 売上データで「最も多く販売された数量」を確認
- アンケート結果で「最も選ばれた選択肢」を特定
- 品番・サイズ・カラーなど、繰り返しデータの代表値を抽出
注意点
- 数値以外(文字列や空白)は無視される
- 複数の最頻値がある場合、最初に見つかった値のみ返す
- すべての値が一度しか出てこない場合は #N/Aエラー になる
- 複数の最頻値をすべて取得したい場合は、MODE.MULT関数 を使用
関連関数
関数 | 説明 |
---|---|
MODE.MULT | 複数の最頻値を配列として返す(Excel 2010以降対応) |
MEDIAN | データの中央値を求める |
AVERAGE | データの平均値を求める |
COUNTIF | 条件付きで出現回数を数える |
まとめ
MODE.SNGL関数は、データの中から最も多く出現する値(最頻値)を求める関数です。
統計データやアンケート集計、販売傾向の分析など、「どの値が一番多いか」を知るのに最適です。
複数の最頻値を扱いたい場合はMODE.MULT関数と使い分けると、より正確な分析ができます。