Excelで表形式のデータを扱う際に、特定の条件に一致するデータだけを合計したいことがあります。例えば「在庫数が10以上の商品だけの合計金額」を求めたいときです。そんなときに便利なのが DSUM関数 です。DSUM関数を使えば、データベース形式の表から条件付きで合計を計算できます。
DSUM関数とは?
DSUM関数は、指定したデータベースの中から、条件に一致するレコードの数値を合計する関数です。
- データベース関数の一つ
- 複数条件に対応(AND条件・OR条件)
- SUM関数よりも条件を柔軟に設定可能
書式
=DSUM(データベース, フィールド, 条件範囲)
引数
- データベース:見出し行を含む表全体の範囲
- フィールド:合計対象となる列(列見出し名または列番号)
- 条件範囲:条件を指定したセル範囲(見出しと条件を含む)
使用例

=DSUM(C2:E6, E2, G2:G3)
→ 在庫数が10以上の商品(AとC)の「値段」の合計 220 が返ります。
活用例
- 在庫が一定数以上の商品金額を合計する
- 特定地域や担当者ごとの売上合計を求める
- 条件付きで経費や費用の合計を計算する
注意点
- 条件範囲には見出し行が必要
データベースの見出しと一致していないと動作しません。 - 複数条件に対応
行に条件を並べると AND条件、列に条件を並べると OR条件として処理されます。 - 数値以外のデータは合計対象外
文字列や空白セルは無視されます。
DSUM関数とSUMIF関数の違い
DSUM関数は、データベース形式の表を対象に、見出しを基準に複数の条件を指定して合計を計算できるのが特徴です。条件範囲を別のセルに用意して設定するため、複雑な条件を柔軟に扱えるメリットがあります。
一方、SUMIF関数は1つの条件だけを直接数式内に指定して合計を求めるシンプルな関数です。手軽に使えますが、条件が複数ある場合はSUMIFS関数を使う必要があります。
つまり、DSUMはデータベース形式で複雑な条件に対応できるのが強み、SUMIFは単純な条件付き合計を素早く計算できるのが強みと言えます。
関連関数
関数名 | 内容 |
---|---|
DCOUNT | 条件付きで数値セルの件数を数える |
DAVERAGE | 条件付きで平均を求める |
SUMIF | 単一条件で合計を求める |
SUMIFS | 複数条件で合計を求める |
まとめ
DSUM関数は、データベース形式の表から条件付きで数値を合計できる関数です。条件範囲を柔軟に設定できるため、SUMIFやSUMIFSよりも表形式のデータに適しているケースがあります。在庫管理や売上集計など、条件付きの合計計算を効率化したいときに活躍します。