Excel関数入門:DECIMAL関数の使い方【異なる基数を10進数に変換】

システム開発やデータ分析をしていると、2進数や16進数など、さまざまな基数で表された数値を扱うことがあります。
DECIMAL関数 は、そうした値を一瞬で 10進数に変換 できる便利な関数です。
Excel上でコードやID、数値データの変換を行いたいときに重宝します。


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DECIMAL関数とは?

DECIMAL関数 は、指定した「文字列としての数値」と「基数(進数)」をもとに、
その値を 10進数(decimal) に変換して返す関数です。


書式

=DECIMAL(文字列, 基数)


引数の説明

  • 文字列:基数で表された数値を文字列として指定します。
  • 基数:変換元の基数を指定します(2〜36の範囲)。

使用例①:2進数を10進数に変換する

=DECIMAL(B3,2)

👉 この例では、2進数(0と1だけで表される数)を10進数に変換しています。
たとえば「1010」は、

1×2³ + 0×2² + 1×2¹ + 0×2⁰ = 10

となり、結果は 10 になります。
基数 に「2」を指定することで、2進数の文字列を正しく10進数に直せます。


使用例②:16進数を10進数に変換する

=DECIMAL(B3,16)

👉 16進数では、数字に加えて A〜F が使われ、
A=10、B=11、C=12、D=13、E=14、F=15 を表します。

たとえば「1F」は、

1×16¹ + 15×16⁰ = 31

となり、結果は 31
このように、基数 に「16」を指定すると、プログラムで使われる16進数の値
10進数に簡単に変換できます。


使用例③:8進数を10進数に変換する

=DECIMAL(B3,8)

8進数は「0〜7」の数字だけを使う表記法です。
たとえば「77」は、

7×8¹ + 7×8⁰ = 63

となり、結果は 63
ファイル権限設定や古いプログラムなどで使われる8進数の値も、
DECIMAL関数で簡単に読みやすい10進数に変換できます。


注意点

注意点内容
基数の範囲基数は 2〜36 のみ対応。37以上や1以下はエラーになります。
大文字・小文字の区別16進数の「A~F」は大文字・小文字どちらでもOKです(例:”1a” でも可)。

関連関数

関数説明
BIN2DEC2進数を10進数に変換(DECIMALの一種)
DEC2BIN10進数を2進数に変換

まとめ

DECIMAL関数 は、さまざまな進数(2進数・8進数・16進数など)を
10進数に変換できる万能な関数 です。

進数変換を行う専用関数(BIN2DEC、HEX2DEC関数など)よりも柔軟で、
基数を自由に指定できる点が大きな特徴です。

プログラミングやデータ通信など、異なる進数の値を扱うときに役立つ関数です。