Excelには「複数条件を判定する論理関数」がいくつかあります。
その中で 条件が2つの場合は「どちらか一方だけが正しいとき」にTRUEを返す のが XOR関数 です。
さらに条件が3つ以上になると、TRUEが奇数個あるときにTRUE、偶数個のときにFALSE を返すという特徴があります。
XOR関数とは?
XOR関数は、複数の条件のうち「奇数個がTRUEのときTRUE」を返す関数です。
論理学でいう「排他的OR(Exclusive OR)」にあたります。
条件が2つの場合
- どちらか片方だけがTRUE → TRUE
- 両方TRUE、または両方FALSE → FALSE
例:
「今日のおやつはケーキかアイス、どっちか1つだけ」
- ケーキを選んだら → TRUE(OK)
- アイスを選んだら → TRUE(OK)
- 両方食べたら → FALSE(ダメ!)
- どっちも食べなかったら → FALSE(ダメ!)
条件が2つの場合のXORはこんなイメージです。
条件が3つ以上の場合
- TRUEの数が奇数個ならTRUE
- TRUEの数が偶数個ならFALSE
TRUEを「1」、FALSEを「0」として考えると分かりやすいです。
条件を全部足して、その合計が奇数ならTRUE、偶数ならFALSEになります。
例:
XOR(TRUE, TRUE, TRUE)
→ 1+1+1=3(奇数) → TRUEXOR(TRUE, TRUE, FALSE, FALSE)
→ 1+1+0+0=2(偶数) → FALSE
書式
=XOR(論理式1, [論理式2], …)
- 論理式1, 論理式2, …:TRUE/FALSE を返す条件(2つ以上指定可能)
使用例
例1:2つの条件を判定
=XOR(A1>10, B1<5)
- A1が10より大きい、またはB1が5より小さい「どちらか一方」だけが成り立てばTRUE。
- 両方成り立つ、または両方成り立たない場合はFALSE。
例2:複数条件を判定
=XOR(A1=100, B1=200, C1=300)
- 条件が 1つまたは3つ(奇数個)TRUE → TRUE
- 条件が 0個または2個(偶数個)TRUE → FALSE
例3:IF関数と組み合わせ
=IF(XOR(B2="男", C2="社会人"), "条件を満たす", "条件外")
- 「性別が男」または「社会人」、どちらか一方だけ当てはまる場合に「条件を満たす」と返す。
活用例
- 入力チェック
「A欄またはB欄のどちらか一方だけ入力されていればOK」という条件で使える。 - 条件付き判定
「割引Aと割引Bは併用不可。どちらか片方だけなら適用」といったビジネスルールを数式化できる。 - 論理演算の学習
排他的OR(XOR)は論理回路やプログラミングでもよく登場する概念なので、理解しておくと応用しやすい。
注意点
- TRUEの個数が「奇数 → TRUE」「偶数 → FALSE」というルールを覚えると理解しやすい。
- 単純な「どちらか一方」ではなく、複数条件でも利用可能。
- 単に「どちらか成り立てばOK」であれば
OR関数
の方が適切。
関連関数
関数 | 内容 |
---|---|
OR | 条件のうち1つでもTRUEならTRUE |
AND | 条件がすべてTRUEならTRUE |
NOT | TRUEとFALSEを反転させる |
まとめ
XOR関数
は 条件が「奇数個TRUE」のときにTRUEを返す論理関数- 「どちらか一方だけ当てはまる」を表現するのに便利
- IF関数と組み合わせれば、実務での入力チェックや条件分岐に活用できる