Excel関数入門:WRAPCOLS関数の使い方【データを指定行数ごとに縦へ並べ替える】

Excelで長く並んだデータを「見やすい形に整えたい」と思ったことはありませんか?
一方向にデータが続いてしまうと、画面に収まりにくく、分析や印刷もしづらくなってしまいます。

そんなときに便利なのが WRAPCOLS関数 です。
一列に並んだデータを、指定した行数ごとに縦へ折り返して並べ替えることができ、表のレイアウトを一瞬で整えられます。

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WRAPCOLS関数とは?

WRAPCOLS関数は、行や列に並んだデータを、
指定した行数ごとに縦方向へ並べ替えるための関数です。


書式

WRAPCOLS(配列, 行数, [空のセルの値])

引数の説明

  • 配列:変換したいデータ範囲
  • 行数:折り返す行数(◯行ごとに次の列へ移す)
  • 空のセルの値(省略可):データが足りない箇所に入れる値(省略時は空白)

WRAPCOLS関数の使い方

例 1:データを縦に並べる

WRAPCOLS関数を使い、元データを3行ごとに縦へ折り返して整形します。

=WRAPCOLS(B3:B10,3)

この数式は、B3~B10のデータを左から順番に縦へ配置し、3行ごとに区切って
次の列に折り返すという動作を行います。

結果として、データがコンパクトに再配置され、データを縦方向のブロックとして整理できます。

例 2:不足セルを特定の文字で埋める

データ数が足りないと#N/Aエラーが表示されます。
エラー表示ではなく別の文字を表示させたい場合は、第三引数を追加します。

=WRAPCOLS(B3:B10,3,"---")

これでエラー表示の代わりに「—」が表示されます。


活用例

  • 横に長い商品データを複数列に整形
  • ラベル番号・出席番号などを縦に並べて印刷しやすく
  • 横長の回答データを縦方向へ再配置
  • 入力フォーム用にデータを縦並びへ整形
  • 画像ファイル名などの一覧整理

注意点

  • 配列数式のため、Excel 365 / 2021 以降で使用可能
  • 元データは「1行(横方向)」であることが前提
  • 行数設定を間違えると意図しない折り返し配置になる

関連関数

関数役割
WRAPROWS縦のデータを指定列数で横へ整形
TRANSPOSE行と列を入れ替える
TAKE上・下・左・右から必要部分を抽出
CHOOSECOLS指定列だけを抽出

まとめ

WRAPCOLS関数は、データを指定した行数ごとに縦へ折り返して整形できる便利な関数です。
長すぎるデータをコンパクトにまとめたいときや、レイアウトを整えたい場面で大活躍します。

Excelのレイアウト調整の幅が広がるので、ぜひ覚えておきたい関数のひとつです。