Excelで時刻データを扱うとき、「文字列」として入力された時刻を計算に使えるように変換したい場面があります。
そんなときに便利なのが TIMEVALUE関数 です。
TIMEVALUE関数とは?
TIMEVALUE関数は、文字列で表された時刻をExcelが扱える「シリアル値」に変換する関数です。
シリアル値とは、Excel内部で日付や時刻を数値として管理する仕組みで、計算や比較ができるようになります。
- 0:00(午前0時)= 0
- 12:00(正午)= 0.5
- 23:59(午後11時59分)≒ 0.9993
といったように、1日を「1」として24時間を小数値で表します。
書式
=TIMEVALUE(時刻文字列)
- 時刻文字列:時刻を表す文字列。例:「12:30」「18:00」「7:45 PM」など
使用例
例1:基本的な変換
=TIMEVALUE("12:00")
→ 0.5 (正午は1日の半分なので0.5)
例2:午後時刻を変換
=TIMEVALUE("18:00")
→ 0.75 (18時=1日の3/4)
例3:セル参照で利用
セルA1に「7:30」と入力されているとき:
=TIMEVALUE(A1)
→ 0.3125 (7.5時間 ÷ 24時間)
例4:経過時間の計算
=(TIMEVALUE("18:00") - TIMEVALUE("9:00"))*24
→ 9 (9時間の差)
活用例
- 勤務時間の計算
出勤時刻・退勤時刻を文字列で入力してもシリアル値に変換できるので、労働時間を計算可能。 - 時間差の計算
2つの時刻の差を「何時間か」に換算できる。 - 他の関数と組み合わせ
HOUR
、MINUTE
、SECOND
関数で部分的に取り出すのも便利。
注意点
- 引数は「有効な時刻文字列」でなければエラーになる。
- 「日付+時刻」の場合は、日付部分を無視して時刻だけを返す。
例:=TIMEVALUE("2025/8/26 14:30")
→ 0.604166… - 時刻を直接入力する場合はダブルクォーテーションで囲む必要がある。
関連関数
関数 | 内容 |
---|---|
TIME | 時・分・秒からシリアル値を生成 |
DATEVALUE | 日付文字列をシリアル値(日付部分)に変換 |
HOUR | 時刻から「時」を取り出す |
MINUTE | 時刻から「分」を取り出す |
SECOND | 時刻から「秒」を取り出す |
まとめ
TIMEVALUE関数
は「文字列の時刻」を シリアル値に変換する関数- 計算や比較をするために必須のステップとして使える
- 勤怠計算、経過時間の計算、スケジュール処理に便利