日本語のデータをExcelで扱うとき、セルに入力された漢字のふりがなを取得したい場面があります。特に名簿や住所録などでは、ふりがな列を自動生成したいことがあります。そんなときに便利なのが PHONETIC関数 です。本記事では、PHONETIC関数の使い方や注意点、活用方法をわかりやすく解説します。
PHONETIC関数とは?
PHONETIC関数は、セルに入力された文字列のふりがな(読み仮名) を返す関数です。
- ふりがなが設定されたセルから、自動的にひらがなやカタカナのルビを取得できます。
- 日本語データ専用の関数であり、英数字やアルファベットには適用されません。
書式
=PHONETIC(参照)
- 参照:ふりがなを取得したいセルを指定します。
使用例
- ふりがなを取得する
- A1セルに「東京タワー」と入力され、ふりがなに「トウキョウタワー」が設定されている場合
=PHONETIC(A1)
→ 結果:トウキョウタワー
- A1セルに「東京タワー」と入力され、ふりがなに「トウキョウタワー」が設定されている場合
- 複数セルのふりがなをまとめて表示
=PHONETIC(A1&A2)
→ A1とA2を結合し、そのふりがなを返します。
活用例
- 名簿のふりがな列を自動生成
名前データからふりがなを自動抽出して別の列に表示できます。 - 並べ替え用データの作成
ふりがなを取得してソートキーにすることで、漢字名を読み順で並べ替えられます。 - 住所録の整理
漢字住所からふりがな住所を生成し、読みやすい帳票を作成可能です。
PHONETIC関数とふりがなデータの仕組み
1. ふりがなの保存
- Excelは、日本語入力時にIME(日本語入力システム)で変換した際の読み情報(ふりがな)をセルに保存します。
- この情報は、ルビ(ふりがな) としてセルに紐づいており、漢字テキストと一緒に管理されます。
2. PHONETIC関数の役割
=PHONETIC(セル参照)
とすると、セルに保存されたふりがな情報を文字列として取り出します。- ふりがなが保存されていなければ空白を返します。
3. 挙動の特徴
- コピー&ペースト時:漢字だけを貼り付けるとふりがなが失われることがあります。
- ふりがなが必要な場合:リボンの [ホーム] → [ふりがなの表示] → [ふりがなの編集] で編集・再設定が可能です。
- 英数字や記号:ふりがなは設定されないため、PHONETIC関数ではそのままの文字が返るか空白になります。
注意点
- セルにふりがなが設定されていないと返せない
手入力しただけのセルにはふりがなが自動設定されない場合があります。
→ メニューの [ふりがなの表示] → [ふりがなの編集] で設定が必要です。 - 文字種は元データ依存
ふりがなの表示形式(ひらがな・カタカナ)はセルのふりがな設定に準じます。 - 英数字や記号は対象外
PHONETICは日本語のふりがな専用です。英数字はそのまま返されます。
関連関数
- TEXT関数:数値や日付の表示形式を整える
- CONCATENATE関数:複数セルの文字列を結合
- SUBSTITUTE関数:文字列の置換
まとめ
PHONETIC関数は、日本語データのセルからふりがなを取得するための関数です。
- 書式:
=PHONETIC(参照)
- 名簿や住所録のふりがな列作成に活用可能
- ふりがな設定がされていないセルでは結果が返らない点に注意