Excelでは、数の表し方(進数)を簡単に変換できる関数が用意されています。
その中のひとつが OCT2DEC関数 です。
OCT2DEC関数 は、8進数(0〜7の数字で表す数)を10進数(普段使う数)に変換 する関数です。たとえば、8進数の「12」は、10進数の「10」に変換されます。
OCT2DEC関数とは?
OCT2DEC関数は、8進数で表された値を10進数に変換してくれる関数です。
8進数はコンピューターや電子機器でよく使われる数の表記方法で、
「0〜7」の8種類の数字だけを使って表します。この関数を使えば、そうした8進表記を日常的な数(10進数)に簡単に直せます。
書式
=OCT2DEC(数値)
引数の説明
- 数値:変換したい8進数を文字列または数値で指定します。
使用例①:8進数を10進数に変換する
| A列(8進数) | 結果(10進数) |
|---|---|
| 7 | 7 |
| 10 | 8 |
| 12 | 10 |
| 25 | 21 |
8進数の「12」は、
1×8¹ + 2×8⁰ = 10(10進数)
このように、Excelが自動で変換してくれるため、手計算せずに8進→10進の変換が簡単に行えます。
使用例②:負の8進数を変換する
| A列(8進数) | 結果 |
|---|---|
| 7777777777 | -1 |
| 7777777773 | -5 |
Excelでは、8進数の最初の桁(符号ビット)をもとに「正の数」か「負の数」かを判断します。
先頭が「7」で始まる10桁の8進数は、負の値 として処理されます。これは、コンピューター内部で使われる 2の補数表現 に基づく仕組みです。
注意点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 入力できるのは10桁まで | それ以上の桁数を入力すると #NUM! エラーになります。 |
| 8や9を含む数値は使えない | 8や9を含むと #NUM! エラーが表示されます。 |
| 小数や文字列は変換できない | 整数のみ対応しています。 |
関連関数
| 関数 | 説明 |
|---|---|
| OCT2BIN | 8進数を2進数に変換する |
| OCT2HEX | 8進数を16進数に変換する |
| DEC2OCT | 10進数を8進数に変換する |
| DECIMAL | 文字列で表された任意の進数を10進数に変換する |
まとめ
OCT2DEC関数 は、Excelで 8進数を10進数に変換するための関数 です。
8進数の値を見てもピンとこないとき、この関数を使えば一瞬で通常の数値に変換できます。
プログラミングやデータ通信の基礎で使われる進数の考え方を理解するうえでも、OCT2DEC関数は覚えておくと便利な関数です。
