Excelを使っていると、数式の結果がエラーになることがあります。例えば「0で割り算をした」「参照が間違っている」などが典型的です。これらを検出するために使えるのが ISERR関数 です。本記事では、ISERR関数の基本的な使い方と、よく比較される ISERROR関数 との違いを解説します。
ISERR関数とは?
ISERR関数は、数式や値が「エラー」かどうかを判定し、TRUE または FALSE を返す関数です。
返す結果
- エラーである場合 →
TRUE
- エラーでない場合 →
FALSE
書式
=ISERR(値)
- 値:調べたいセル参照や計算式を指定します。
使用例
- 0で割り算をしたとき
=ISERR(10/0)
→ 結果:TRUE - 文字列を数値に掛け算
=ISERR("ABC"*2)
→ 結果:TRUE - 正常な数値
=ISERR(5*2)
→ 結果:FALSE
ISERR関数とISERROR関数の違い
Excelには ISERROR関数 という類似の関数もあります。両者の違いは次の通りです。
関数 | 判定対象 | #N/A エラーの扱い |
---|---|---|
ISERR | #N/A 以外のすべてのエラーを判定 | #N/A はFALSE |
ISERROR | すべてのエラーを判定 | #N/A もTRUE |
具体例
=ISERR(#DIV/0!)
→ TRUE=ISERR(#REF!)
→ TRUE=ISERR(#N/A)
→ FALSE
一方で、
=ISERROR(#N/A)
→ TRUE
となります。
活用例
- IF関数と組み合わせる
=IF(ISERR(A1/B1), "エラーです", A1/B1)
→ A1÷B1の計算でエラーが出た場合に「エラーです」と表示。 - VLOOKUPと組み合わせる
VLOOKUPで参照が見つからないと#N/A
になります。この場合に#N/A
も拾いたいなら →ISERROR
#N/A
は無視したいなら →ISERR
を使い分けると便利です。
注意点
#N/A
を除外するかどうかを理解して使うISERR
は#N/A
を除外します。ISERROR
は#N/A
も含めます。
→ 検索関数(VLOOKUPやMATCH)で#N/A
をよく使う場合は、目的に応じて選択してください。
- 最近はIFERROR関数が便利
Excel 2007以降では IFERROR関数 が登場しました。=IFERROR(A1/B1, "エラー")
と書くだけで、エラー時の代替値を直接指定できます。状況によっては、ISERRよりもこちらを使う方が簡潔です。
関連関数
- ISERROR関数:すべてのエラーを判定(#N/A含む)
- IFERROR関数:エラー時の代替値を返す(Excel 2007以降推奨)
- IFNA関数:
#N/A
エラーだけを捕捉できる
まとめ
ISERR関数は、#N/A
を除くエラーを判定する関数です。
- 書式:
=ISERR(値)
#N/A
はFALSE、それ以外のエラーはTRUEISERROR
との違いは「#N/Aを含めるかどうか」- 実務では、状況に応じて
ISERROR
やIFERROR
と使い分ける