Excel関数入門:ISERR関数の使い方【エラー判定専用関数】

Excelを使っていると、数式の結果がエラーになることがあります。例えば「0で割り算をした」「参照が間違っている」などが典型的です。これらを検出するために使えるのが ISERR関数 です。本記事では、ISERR関数の基本的な使い方と、よく比較される ISERROR関数 との違いを解説します。


ISERR関数とは?

ISERR関数は、数式や値が「エラー」かどうかを判定し、TRUE または FALSE を返す関数です。

返す結果

  • エラーである場合 → TRUE
  • エラーでない場合 → FALSE

書式

=ISERR(値)
  • :調べたいセル参照や計算式を指定します。

使用例

  1. 0で割り算をしたとき =ISERR(10/0) → 結果:TRUE
  2. 文字列を数値に掛け算 =ISERR("ABC"*2) → 結果:TRUE
  3. 正常な数値 =ISERR(5*2) → 結果:FALSE

ISERR関数とISERROR関数の違い

Excelには ISERROR関数 という類似の関数もあります。両者の違いは次の通りです。

関数判定対象#N/Aエラーの扱い
ISERR#N/A以外のすべてのエラーを判定#N/AはFALSE
ISERRORすべてのエラーを判定#N/AもTRUE

具体例

  • =ISERR(#DIV/0!) → TRUE
  • =ISERR(#REF!) → TRUE
  • =ISERR(#N/A) → FALSE

一方で、

  • =ISERROR(#N/A) → TRUE

となります。


活用例

  • IF関数と組み合わせる =IF(ISERR(A1/B1), "エラーです", A1/B1) → A1÷B1の計算でエラーが出た場合に「エラーです」と表示。
  • VLOOKUPと組み合わせる
    VLOOKUPで参照が見つからないと #N/A になります。この場合に
    • #N/Aも拾いたいなら → ISERROR
    • #N/Aは無視したいなら → ISERR
      を使い分けると便利です。

注意点

  1. #N/Aを除外するかどうかを理解して使う
    • ISERR#N/A を除外します。
    • ISERROR#N/A も含めます。
      → 検索関数(VLOOKUPやMATCH)で #N/A をよく使う場合は、目的に応じて選択してください。
  2. 最近はIFERROR関数が便利
    Excel 2007以降では IFERROR関数 が登場しました。 =IFERROR(A1/B1, "エラー") と書くだけで、エラー時の代替値を直接指定できます。状況によっては、ISERRよりもこちらを使う方が簡潔です。

関連関数

  • ISERROR関数:すべてのエラーを判定(#N/A含む)
  • IFERROR関数:エラー時の代替値を返す(Excel 2007以降推奨)
  • IFNA関数#N/A エラーだけを捕捉できる

まとめ

ISERR関数は、#N/Aを除くエラーを判定する関数です。

  • 書式: =ISERR(値)
  • #N/AはFALSE、それ以外のエラーはTRUE
  • ISERRORとの違いは「#N/Aを含めるかどうか」
  • 実務では、状況に応じて ISERRORIFERROR と使い分ける