Excel関数入門:CUMIPMT関数の使い方【一定期間の利息合計を求める】

ローンや分割払いでは、毎月の支払額の中に「元金」と「利息」が含まれています。
「1年目に支払った利息はいくら?」「総支払額のうち利息分はどれくらい?」といった疑問を簡単に計算できるのが、CUMIPMT関数 です。

Excelを使えば、複雑なローン計算も一瞬で求められます。


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CUMIPMT関数とは?

CUMIPMT関数 は、指定した期間内に支払う利息の合計を求める関数です。

たとえば、「2年間のうち最初の1年間で支払った利息だけを知りたい」といったケースに使えます。CUMIPMT関数は金融関数の1つで、CUMPRINC関数(元金合計) と対になる関数です。


書式

=CUMIPMT(利率, 期間, 現在価値, 開始期, 終了期, 支払期日)

各引数の説明

  • 利率:利率を指定します。
    年利を月単位にする場合は「年利 ÷ 12」とします。(例:5% ÷ 12)
  • 期間:支払回数を指定します。
    2年間の月払いなら「2×12=24」と入力します。
  • 現在価値:現在価値(借入金額)を指定します。
    たとえば30万円を借りた場合は「300000」。
  • 開始期:集計を始める期を指定します。
    最初の1回目から計算するなら「1」。
  • 終了期:集計を終える期を指定します。
    1年分(12回)なら「12」。
  • 支払期日:支払のタイミングを指定します。
    期末払い=0、期首払い=1(通常は0でOK)。

使用例

例:ローン1年目の利息合計を求める

この例では、年利5%・2年(24回払い)・借入金30万円のローンを想定しています。
1年目(最初の12か月)に返済した元金の合計をCUMIPMT関数で求めてみます。

セルI3に次の式を入力します。

=-CUMIPMT(B3/12, C3*12, D3, E3, F3, G3)

最初の12か月間で支払った利息の合計は 約11,678円 です。この金額は、支払総額のうち利息にあたる部分を示しており、返済が進むにつれて利息の割合は少しずつ減っていきます。


活用例

  • ローン比較に使う
     金利や期間を変えて試算し、どの条件が最も利息負担が少ないかを比較できます。
  • 会計処理・返済スケジュールの作成に使う
     年度単位や月単位で利息をまとめることで、帳簿への記録や損益計算に役立ちます。

注意点

  • 結果はマイナス値で表示される
     支払い(出費)を表すため、負の値になります。金額を正の数で表示したい場合は、
     =-CUMIPMT(...) と先頭にマイナスを付けましょう。
  • 利率は期間に合わせて調整する
     年利なら月単位にするために「12」で割るなど、期間単位に合わせる必要があります。

関連関数

関数名役割
CUMPRINC関数指定期間内に支払った元金の合計を求める
PMT関数各期の支払額(元金+利息の合計)を求める
IPMT関数各期ごとの利息額を求める
PPMT関数各期ごとの元金額を求める

まとめ

CUMIPMT関数は、ローンや分割払いで支払う利息の合計を求めるときに便利な関数です。
開始期と終了期を指定することで、特定期間の利息だけを簡単に抽出できます。

金融関数の中でも、返済計画の分析や費用比較などに役立つ関数なので、CUMPRINC関数やPMT関数と合わせて覚えておくとより実践的に活用できます。