三角関数の世界には、基本的な正弦(サイン)、余弦(コサイン)、正接(タンジェント)に加えて、それらの逆数で表される関数があります。そのひとつが 余接(コタンジェント) です。Excel には COT関数 が用意されており、角度の正接の逆数を簡単に計算できます。本記事では、COT関数の基本から使用例、注意点までを解説します。
COT関数とは?
COT関数は、指定した角度の余接(cotangent)を返す関数です。
定義は次の通りです:

つまり、角度の正接(tan)の逆数を求める関数です。Excel では角度を ラジアン で指定する必要がある点に注意してください。
書式
=COT(数値)
- 数値:ラジアンで表された角度。必ず指定します。
使用例
- 15ラジアンの余接を求める
=COT(15)
→ 結果:-0.0709 - 45度の余接を求める
=COT(RADIANS(45))
→ 結果:1 - 30度の余接を求める
=COT(RADIANS(30))
→ 結果:1.732 (およそ√3)
活用例
- 角度から比率を求める
建築や設計などで角度に基づいた比率を計算したいときに活用できます。 - 三角関数グラフの作成
COT
関数を用いてデータを並べ、グラフ化すると、漸近線を持つ余接関数の特徴的な曲線を描くことができます。
注意点
- ラジアンで入力する必要がある
45度を=COT(45)
と入力すると、45ラジアンとして処理され誤った結果になります。必ずRADIANS
関数で変換してください。 - エラーが発生するケース
- 入力が数値以外 →
#VALUE!
エラー - 入力値が ±2^27 以上 →
#NUM!
エラー - sin が 0 になる角度(0度, 180度 など) →
#DIV/0!
エラー
- 入力が数値以外 →
関連関数
- TAN関数:正接を求める
- SIN関数:正弦を求める
- COS関数:余弦を求める
- CSC関数:正弦の逆数(余割)
- SEC関数:余弦の逆数(正割)
- RADIANS関数:度をラジアンに変換
まとめ
COT関数は、Excelで角度の余接(tanの逆数)を求めるための関数です。
- 書式は
=COT(数値)
- 入力はラジアン、度を使う場合は
RADIANS
で変換 - sin が 0 になる角度ではエラーになる
三角関数の逆数系列を理解することで、工学的・数学的な計算をExcelで再現しやすくなります。