Excel関数入門:SIGN関数の使い方【数値の符号を返す】

Excelで数値が 正か負かゼロか を判定したいときに便利なのがSIGN(サイン)関数。
シンプルながら、符号を条件に処理を分岐させたい場面で活躍する関数です。条件付き書式によるデータの視覚的な整理、またはプログラムでの条件分岐処理などが効率的に行えます。


SIGN関数の書式

=SIGN(数値)

引数の説明

引数説明
数値判定したい数値またはセル参照

返される値

SIGN関数は、以下のように 数値の符号に応じた整数を返します:

数値の状態結果
正の数1
負の数-1
00

基本的な使い方

例1:単純な判定

=SIGN(25) → 1
=SIGN(-8) → -1
=SIGN(0) → 0

例2:セル参照による使用

=SIGN(A2)

A2 の値が正・負・ゼロのいずれかに応じて 1、-1、0 を返します。


活用例

1. 売上の損益判定

=IF(SIGN(A2)=1, "黒字", IF(SIGN(A2)=-1, "赤字", "±0"))

→ A2の売上金額が正なら「黒字」、負なら「赤字」、ゼロなら「±0」と表示


2. 増減の傾向分析

前月比などの増減率をSIGNで判断して、マークや色分けなどに活用できます。

=SIGN(B2-A2)
  • 1 → 増加
  • -1 → 減少
  • 0 → 変化なし

注意点

  • 空白セルを参照すると 0 を返す(0とみなされる)
  • 数値以外(文字列など)を参照すると #VALUE! エラー
  • 絶対値を知りたい場合はABS関数を併用

関連関数

関数名目的
ABS絶対値を返す
IF条件分岐でSIGNと併用可能
INT整数部分の切り捨て
ROUND四捨五入による数値丸め

まとめ

  • SIGN関数は数値の符号を簡単に判定できる関数
  • 1, -1, 0 を返すことで、条件分岐や増減傾向の判定に最適
  • IF関数やABS関数と組み合わせることでさらに活用範囲が広がる