ローンや分割払いでは、毎回の支払いの中に「元金」と「利息」が含まれています。
「今月の支払いのうち、利息はいくら?」を調べたいときに役立つのが IPMT関数 です。
この関数を使えば、返済スケジュールを自動で作成したり、支払い内訳をわかりやすく分析することができます。
IPMT関数とは?
IPMT関数は、
一定の利率と支払回数のもとで、指定した期の利息額を求める関数です。
たとえば、2年間のローン(24回払い)のうち「5回目の支払いに含まれる利息」だけを知りたいときに使います。
書式
=IPMT(利率, 期, 期間, 現在価値, [将来価値], [支払期日])
各引数の説明
- 利率:利率を指定します。
年利5%なら「5%/12」で月利に変換します。 - 期:利息を求めたい期を指定します。
たとえば5回目の支払いなら「5」。 - 期間:支払総回数を指定します。
2年間の月払いなら「24」。 - 現在価値:現在価値(借入金額)を指定します。
たとえば30万円を借りた場合は「300000」。 - 将来価値(省略可):将来価値。
ローン完済後の残高を指定します。通常は「0」。 - 支払期日(省略可):支払タイミング。
期末払い=0(既定値)、期首払い=1。
使用例
例:ローン5回目の支払いに含まれる利息を求める
この例では、年利5%・2年(24回払い)・借入金30万円のローンを想定しています。
返済24回のうち「5回目」の支払いに含まれる利息をIPMT関数で求めます。

セルI3に次の式を入力します。
=-IPMT(B3/12,C3,D3*12,E3,F3,G3)
結果は 1,050円 となります。
この結果は、5回目の支払いのうち、約1,050円が利息部分であることを表しています。

このようにIPMT関数を使うと、月ごとの利息を一覧化して
「返済初期は利息が多く、後半になるほど元金が増える」傾向を確認できます。
活用例
- 返済スケジュール表の作成
各期の「元金(PPMT関数)」と「利息(IPMT関数)」を組み合わせると、
月ごとの返済内訳を自動で一覧化できます。 - ローンの見直し
金利や返済期間を変更して、支払利息の違いを比較できます。 - 会計処理・仕訳の確認
利息費用を正確に期間配分する場合にも役立ちます。
注意点
- 結果はマイナス値で表示される
支払いを意味するため、Excelではマイナスになります。
正の値にしたい場合は「=-IPMT(…)」と入力します。 - 利率は返済頻度に合わせて調整
年利を月利などに変換することを忘れずに。
関連関数
| 関数名 | 内容 |
|---|---|
| PPMT関数 | 各期に支払う元金額を求める |
| PMT関数 | 各期の支払総額(元金+利息)を求める |
| CUMIPMT関数 | 指定期間内の利息合計を求める |
| CUMPRINC関数 | 指定期間内の元金合計を求める |
まとめ
IPMT関数は、ローンや分割払いの各回に含まれる「利息部分」を計算する関数です。
返済スケジュールを細かく分析したいときや、「この月はいくら利息を払っているのか」を正確に把握したいときに役立ちます。
PPMT関数やPMT関数と組み合わせることで、返済ごとの「元金」と「利息」のバランスを一目で確認できるようになります。