Excel関数入門:Excelのデータベース関数とは?

Excelには、リスト形式で整理したデータを「データベース」として扱い、その中から条件に一致するデータだけを抽出して集計できるデータベース関数があります。これらの関数は先頭に「D」が付くのが特徴で、例えば DSUM や DAVERAGE といった関数が代表的です。


Excelでの「データベース」の定義

ここでいう「データベース」とは、Accessなどの外部データベースを指すのではなく、シート内に作成された表形式のデータを意味します。

  • 1行 = 1件のデータ(レコード)
    例:1人の社員、1件の売上、1つの商品など
  • 1列 = データ項目(フィールド)
    例:社員名、部署、売上金額、日付など
  • 1行目 = 見出し行(フィールド名)
    ここが関数で参照される「列名」になります

つまり、Excelのシート上に「見出し付きの表」を作れば、それがそのまま「データベース」として扱われます。


代表的なデータベース関数一覧

関数名役割
DSUM条件に合うデータの合計を求める
DAVERAGE条件に合うデータの平均を求める
DCOUNT条件に合う数値の個数を数える
DCOUNTA条件に合う空白以外の個数を数える
DMAX条件に合う最大値を求める
DMIN条件に合う最小値を求める
DPRODUCT条件に合う値の積を求める
DGET条件に合う単一の値を取り出す

書式と使い方

=関数名(データベース, フィールド, 条件)
  • データベース:見出しを含む表全体
  • フィールド:集計対象の列(列名 or 列番号)
  • 条件:条件を記載したセル範囲(見出し付き)

使用例

次の売上表があるとします。

商品名担当者売上
A佐藤1000
B鈴木2000
A佐藤3000

別セルに「商品名=A」と条件を記載した範囲を用意し、次の式を入力すると:

=DSUM(A1:C4, "売上", E1:E2)

結果は 4000 (1000 + 3000)となります。


データベース関数のメリットと注意点

  • 複数条件(AND条件・OR条件)を柔軟に扱える
  • 見出し行を含めた範囲を指定する必要がある
  • 条件は別セルに設定しなければならないため、SUMIFS などに比べて少し手間

まとめ

Excelのデータベース関数は、シート内の表を「データベース」として扱い、条件に基づいて集計するための関数群です。
複雑な条件指定にも対応できるので、売上管理や社員名簿、在庫管理など「条件付き集計」をよく行う場面で非常に便利です。