Excel関数入門:YEARFRAC関数の使い方【2つの日付の年数差を計算】

Excelで「開始日から終了日までの年数の差」を求めたいとき、単にDATEDIF関数を使うと「整数の年数」しか返りません。
「1年3か月=1.25年」といった 小数を含む年数 を知りたいときに便利なのが YEARFRAC関数 です。


YEARFRAC関数とは?

YEARFRAC関数は、開始日と終了日の日付の差を「年数」で返す関数です。
小数を含めて計算するため、年の一部だけ経過した期間も正確に求められます。


書式

=YEARFRAC(開始日, 終了日, [基準])
  • 開始日:基準となる日付
  • 終了日:比較する日付
  • 基準(省略可):日数計算の方法を指定(デフォルトは0=米国方式)

基準の種類

基準計算方法説明
0または省略米国方式1年=360日(各月30日として計算)
1実日数/実年実際の日数÷365または366日
2実日数/360実際の日数を360で割る
3実日数/365実際の日数を365で割る
4ヨーロッパ方式1年=360日(月末処理が米国方式と異なる)

使用例

例1:基本的な年数差

=YEARFRAC("2025/1/1","2025/12/31")

→ 1


例2:実日数/365で計算

=YEARFRAC("2025/1/1","2025/7/1",3)

→ 約0.49589(365日基準で計算)


例3:ローンやリース契約の経過年数

=YEARFRAC(A2, TODAY(), 1)

→ 契約開始日から今日までの経過年数(実日数/実年で計算)


活用例

  • ローンやリースの利息計算
    経過年数を小数で求めて利息を算出できる。
  • 勤続年数や在籍年数の算出
    社員の入社日から現在までの年数を正確に求める。
  • 投資・金融商品の残存期間管理
    満期までの期間を「年換算」で計算可能。

注意点

  • 基準を指定しない場合は 米国方式になるため、金融用途では適切な基準を選ぶこと。
  • DATEDIF関数との違い:DATEDIF関数は整数(年/月/日)で返すが、YEARFRAC関数は小数を返す。
  • シリアル値(日付データ形式)で入力する必要がある。文字列が正しく日付と認識されない場合はエラーになる。

関連関数

関数内容
DATEDIF2つの日付の差を「整数」で返す
DAYS2つの日付の差を「日数」で返す
EOMONTH月末基準の日付を計算
TODAY今日の日付を返す

まとめ

  • YEARFRAC関数は、開始日と終了日の日付差を 小数を含む年数 で返す関数
  • 金融・会計・人事の分野で「年数ベースの精密な計算」に役立つ
  • 基準(360日法、365日法、実日数法)を選んで、目的に応じた計算を行える