順列を求める関数としてPERMUT関数がありますが、重複を許す順列(繰り返し順列)を求めたい場合はPERMUTATIONA関数を使います。
高校数学の「順列(Permutation)」の応用であるこの関数は、同じものを複数選ぶことができる並べ方の計算に便利です。
PERMUTATIONA関数とは?
PERMUTATIONA関数は、n個の中からr個を順番に選ぶ並べ方の数を求める関数です。
ただし、重複を許す(同じ要素を何度でも選んでよい)のが特徴です。
これは「重複順列」または「繰り返し順列」とも呼ばれます。たとえば、同じ数字を何度使ってもよい4桁の暗証番号のように、選んだ要素を繰り返して使える場面を想像するとわかりやすいでしょう。
数字0〜9の中から、4桁すべてに同じ数字も含めて使える場合、10⁴=10,000通りの並び方が存在します。
書式
=PERMUTATIONA(n, r)
引数 | 内容 |
---|---|
n | 選択対象の総数(母集団) |
r | 並べる個数 |
計算イメージ
重複を許す順列の計算式は次のとおりです:
n^r(nのr乗)
つまり、n種類のものからr個を選ぶとき、各ステップでn通りの選択肢があると考えます。
基本的な使い方
例1:3種類から2個を選ぶ場合(重複あり)
=PERMUTATIONA(3, 2)
→ 3^2 = 9
並び方の例:
AA, AB, AC, BA, BB, BC, CA, CB, CC
PERMUTATIONA関数とPERMUT関数の違い
関数 | 重複の可否 | 計算式 | 例(n=3, r=2) |
---|---|---|---|
PERMUT | 重複なし | n! / (n – r)! | 6(AB, AC, BA, BC, CA, CB) |
PERMUTATIONA | 重複あり | n^r | 9(AA~CC) |
活用例
1. パスコードや暗証番号の組み合わせ数
たとえば、0~9の10種類の数字を使って、4桁の番号を作る場合:
=PERMUTATIONA(10, 4) → 10^4 = 10,000
※同じ数字が繰り返し使える設定
2. 色の組み合わせ・並べ替えのパターン数
3色のボールを2つ並べる場合(同じ色を2回使ってOK)など
注意点
- rが0未満 または nが0未満 の場合は
#NUM!
エラー - 小数は自動的に切り捨てて整数として扱われる
- nやrに数値以外を入れると
#VALUE!
エラー
まとめ
- PERMUTATIONA関数は 重複を許す順列(n^r) を求める関数
- 同じ要素を何度でも選べる場面に向いている(パスコード、くじ引きなど)
- PERMUT関数との違いを理解することで使い分けがスムーズに