Excelには数百種類の関数がありますが、すべてが関数ライブラリや予測変換に表示されるわけではありません。
実は、検索や関数一覧に出てこない「隠し関数」と呼ばれるものが存在します。
隠し関数とは?
「隠し関数」とは、関数ライブラリや挿入ダイアログに表示されない関数のことです。
正式な分類ではなく、ユーザーの間で便宜的にそう呼ばれています。
これらの関数は一覧から選択できないため、セルに直接手入力して使う必要があります。
主な隠し関数
1. DATEDIF関数
- 役割:2つの日付の間の差を計算
- 書式例:
=DATEDIF("2024/1/1","2025/1/1","y") → 1
- 単位を
"d"
(日数)、"m"
(月数)、"y"
(年数)などで指定可能。
2. DATESTRING関数
- 役割:西暦の日付を和暦の文字列に変換
- 書式例:
=DATESTRING(TODAY())
- → 令和7年8月26日(例)
- 戻り値は「文字列」のため、日付計算には利用できません。
3. NUMBERSTRING関数
- 役割:数値を漢数字に変換
- 書式例:
=NUMBERSTRING(2025,1) → 二千二十五 =NUMBERSTRING(123456,2) → 壱拾弐萬参仟肆百伍拾六
- 通常の書式設定ではできない「和文表記」を簡単に作成可能。
隠し関数の使い方
- セルを選択
- 数式バーに直接入力
例:=DATEDIF(A1,B1,"m") =DATESTRING(A2) =NUMBERSTRING(345,1)
- Enterを押すと結果が返る
注意点
- 戻り値が「文字列」の場合(DATESTRING・NUMBERSTRINGなど)、計算にはそのまま使えない
- Excelのバージョンや環境によっては利用できない場合がある
- 公式にはサポートされていないため、将来的に仕様が変わる可能性もある
まとめ
- Excelには「隠し関数」と呼ばれる、一覧に出ない便利な関数が存在する
- 代表例は
DATEDIF
、DATESTRING
、NUMBERSTRING
- 利用時はセルに直接入力する必要がある
- 和暦変換や漢数字化など、通常の関数ではできない処理を補完できる