複数の数値の「最小公倍数(LCM:Least Common Multiple)」を求めたいときに使えるのが、LCM関数です。
スケジュール管理や作業周期の計算など、繰り返しのタイミングを合わせる処理で役立つ関数です。
LCM関数の書式
=LCM(数値1, [数値2], ...)
引数の意味
引数 | 内容 |
---|---|
数値1~n | 最小公倍数を求めたい1つ以上の数値(正の整数) |
基本的な使い方
例1:2つの数値の最小公倍数を求める
=LCM(4, 6) → 12
(4と6の最小公倍数は12)
例2:複数の値にも対応
=LCM(3, 5, 10) → 30
活用例
1. 複数の作業周期が重なる日を計算
- 作業A:4日ごとに実施
- 作業B:6日ごとに実施
=LCM(4, 6) → 12日
→ 12日ごとに両方の作業が重なる
2. 商品のセット組の最小単位
例:A商品は3個単位、B商品は5個単位で梱包する場合
両方がぴったり入る最小個数は?
=LCM(3, 5) → 15個
GCD関数との違い(対比)
関数名 | 意味 | 例(12と8) |
---|---|---|
GCD | 最大公約数 | 4 |
LCM | 最小公倍数 | 24 |
注意点
- 0を含むと結果は常に0になります(
=LCM(0, 5)
→0
) - 負の数や小数を指定すると、整数に切り捨てて処理される
文字列
や空白セル
を含むと#VALUE!
エラーになる
関連関数
関数 | 内容 |
---|---|
GCD | 最大公約数を求める |
MOD | 余りを求める |
QUOTIENT | 商(整数部分)を求める |
INT | 小数点以下を切り捨てる |
まとめ
- LCM関数は、複数の数値の最小公倍数を求めるExcel関数
- 作業の周期計算や商品パッケージの単位計算など、繰り返し処理の調整に便利
- GCD関数と合わせて使うことで、数値の共通性の把握に非常に有効