Excelの BITAND関数 は、2つの整数の「ビットごとの論理積」を求める関数です。
少し専門的に聞こえますが、コンピューター内部のON/OFF(1と0)の組み合わせを使って、共通して「1」になっている部分を計算する仕組みです。
たとえば、フラグ管理やON/OFF判定など、プログラミング寄りの場面で便利に使えます。
BITAND関数とは?
BITAND関数は、2つの整数を2進数に変換してAND(論理積)演算を行い、その結果を10進数で返します。
つまり、「両方の数値で1となっているビットだけを1にする」関数です。
書式
=BITAND(数値1, 数値2)
引数の説明
- 数値1:AND演算を行う最初の整数
- 数値2:AND演算を行う2つ目の整数
使用例
例:2つの整数の比較

BITAND関数の仕組みを理解するには、実際に数値を使って計算してみるのが一番わかりやすいです。
ここでは、2つの整数を入力し、それぞれの2進数を比較してどのビットが共通して「1」になっているかを確認してみましょう。

- 「5」を2進数で表すと「101」
- 「3」を2進数で表すと「011」
- ビットごとの論理積を求めると「001」
- それを10進数に戻すと 1 になります。

=BITAND(C3,D3)

結果:1
BITAND関数が行う「論理積(AND)」 は、
2つの数値を2進数に変換したときに各桁(ビット)を1つずつ比較して、両方が1のときだけ1を返すという仕組みです。
活用例:フラグ(ON/OFF状態)の確認
ビット単位の処理は、複数の条件を「1つの数値」で管理したいときに役立ちます。
たとえば、次のような状況を考えます。
| 条件 | ビット値 |
|---|---|
| Excel利用 | 1 |
| Word利用 | 2 |
| PowerPoint利用 | 4 |
「ExcelとWordを使う」ユーザーは 1+2=3
「WordとPowerPointを使う」ユーザーは 2+4=6
ここで、
=BITAND(3, 2)
を計算すると「2」が返ります。
つまり「Wordを利用している」という条件が共通していることを意味します。
注意点
- 負の数は使えません(0以上の整数のみ)
- 小数は自動的に切り捨てられます
関連関数
| BITOR関数 | ビットごとの「OR(論理和)」を求める |
| BITXOR関数 | ビットごとの「排他的OR(XOR)」を求める |
| BITLSHIFT関数 | ビットを左にシフト(桁上げ) |
| BITRSHIFT関数 | ビットを右にシフト(桁下げ) |
まとめ
BITAND関数は、2つの数値の共通して「1」になっているビット部分を抽出する関数です。
日常的なExcel業務ではあまり使う機会は少ないものの、
フラグ管理や数値処理を自動化するシステム的な処理に強みを発揮します。
論理演算の仕組みを理解することで、Excelのデータ処理をより柔軟に扱えるようになります。