ExcelのN関数は、指定した値を数値に変換するために使用される関数です。主に、セルの内容が数値・日付・論理値・エラー値・テキストなどさまざまなデータ型で入力されている場合に、その値を数値に変換して計算処理に利用できるようにします。特に、日付やTRUE/FALSEなどのデータを数値に変換して統一的に扱いたいときに便利です。
N関数とは?
N関数は、引数に指定した値を可能な限り数値に変換して返す関数です。
- 数値はそのまま返す
- 日付はシリアル値で返す
- TRUEは1、FALSEは0で返す
- テキストは0で返す(数値として解釈できる場合を除く)
- エラー値はエラーのまま返す
書式
=N(値)
- 値:数値に変換したい値やセル参照を指定します。
使用例(箇条書き)
- 数値をそのまま返す
=N(100)→ 結果:100 - TRUE/FALSEを数値に変換
=N(TRUE) → 結果:1 =N(FALSE) → 結果:0 - 日付をシリアル値で返す
A1に2025/1/1=N(A1)→ 結果:45658(Excelの日付シリアル値) - 文字列を数値に変換
=N("文字列")→ 結果:0 - エラー値はそのまま返す
=N(1/0)→ 結果:#DIV/0!
データ型と戻り値の対応表
| データの種類 | 戻り値 |
|---|---|
| 数値 | そのままの数値 |
| 日付 | シリアル値 |
| TRUE / FALSE | 1 / 0 |
| テキスト | 0(数値解釈できない場合) |
| エラー値 | エラーのまま |
活用例
- 論理値を計算式に組み込む
TRUEを1、FALSEを0として計算に利用できる。 - 日付を数値として扱う
日付の差を計算する前にシリアル値に変換可能。 - データ型を統一する
さまざまなデータ型が混在するシートで計算を簡単にする。
注意点
- テキストは0になる
数値として解釈できないテキストは0に変換されます。 - エラー値はそのまま返す
#DIV/0!などは変換されずエラーのままです。 - データ型を確認するにはTYPE関数が便利
変換前にデータ型を調べたい場合はTYPE関数を使用。
関連関数
| VALUE関数 | 数値を表す文字列を数値に変換 |
| TYPE関数 | データ型を判定 |
| ISNUMBER関数 | 数値かどうかを判定 |
まとめ
N関数は、数値以外の値を数値に変換する特殊な関数です。TRUEを1、FALSEを0に変換したり、日付や数値はそのまま扱えたりするため、数式の中で条件判定をシンプルに書きたいときに役立ちます。単独で使うことは少ないものの、IF関数や数式の中で補助的に組み合わせることで、柔軟な計算が可能になります。
関連記事:IF関数の使い方